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日本 味の宿について

日本の宿には、「味わい」という独特の要素があります。

その「味わい」は何から生まれるかと言えば、間違いなく「人」です。

宿に携わる「人」。それは主人であったり、女将であったり、昔風に言えば番頭さんや仲居さん。そんな人たちが、日本の宿に「味わい」を生み出してきたのです。

ところが最近の宿は、チェーン化することや、会社組織になることで、
この「味わい」を失いつつあります。

そこで、この「味わい」を守り続ける宿が集まって、更にその「味わい」に磨きを掛け、
深めていくため、「日本 味の宿」というグループができました。

味の宿の品質

あじわい深い宿

まず第一に「味わい深い宿」であることです。「食」における味わいはもちろんのこと、宿の設え、宿を流れる空気、すべてに味わい深いことが、何よりたいせつなことなんです。

じもとに根付いた宿

二番目に「地元に根付いた宿」であること。これも極めてたいせつなことです。地元の空気になじみ、地元の空気をたいせつにする宿でなければなりません。縁もゆかりもない地に、突然舞い降りてきたような宿に「味わい」は感じられません。

のにあるごとく大らかな宿

三番目は「野にあるごとく大らかな宿」。
宿のそこかしこを飾る花々はもちろんのこと、宿の内外を彩る設えも、控えめな佇まいの宿こそ「味わい」を感じさせてくれるのです。華美に走り、ただ豪勢を誇るような宿はすぐにメッキが剥げます。

やどとは何か。どうあるべきか

四番目の条件は「宿とは何か。どうあるべきか」を常に問い続ける宿。ただ長い歴史を誇るだけでは、いつか必ず色あせてしまいます。しかし、新しさだけを追い求めると、いつか必ず飽きられてしまうものです。
時代に合わせるのではなく、時代が合わせてくるような宿が好ましいと思います。

どこにもない宿であること

最後に、「どこにもない宿であること」も必須条件だと思います。
どこにでもあるような宿に泊まることほど、つまらないことはありません。
屋号も同じで、中身も大差がないような宿に、何ほどの魅力も無いのです。
唯一無二。その宿でなければ醸しだせない空気を感じさせる宿を「日本 味の宿」としたいのです。
日本はおろか、世界中探し回ったとて、けっして同じような宿は二軒と無い。そんな宿の集まりにしたいのです。